墓石について
お墓を建てるまで
「お墓を求める」ということは、墓所を使用する権利を手に入れることです。お墓の土地そのものを求めるわけではありません。従って、不動産のような登記が発生したり、名義人が亡くなった場合に相続税がかかったりという問題は発生しません。
お墓の探し方
お墓を建てるには、まず墓地を選びます。
墓地には大きく分けて公営墓地、民営霊園、寺院墓地がありますが、公営墓地の使用は多くの場合が地元の方優先となっていたり抽選制のため、取得は大変困難です。また、すでに仏様をお持ちでないと購入できない場合があります。
また寺院墓地は安価ですが、檀家に入らなければならない場合があります。
民営霊園は、檀家になる必要もありませんし、お手頃な価格で霊園近郊の方以外でもご購入いただけます。
それぞれに趣向を凝らした霊園がたくさんありますので、自分が属する宗旨、宗派や霊園、お墓に対するイメージなどを考慮に入れながらお探しいただけます。
お墓の建て方
お申し込み
ご希望に合った墓地が見つかりましたら、購入のお申し込みを行っていただきます。
お墓の設計・お見積もり
建てたいお墓の希望(石種やデザイン)を打ち合わせの上、設計書と見積書を提出いたします。
契約
設計内容や費用にご納得いただきましたら、契約書を取り交わします。
墓石彫刻
石塔に刻む文字や家紋・意匠を決めて、専門の職人が墓石に刻み込みます。
基礎工事
コンクリートを打ってカロート(納骨室)工事を行い、その後御影石などで外柵の工事を行います。
墓石据え付け
外柵の工事完了後、墓石、花立、水鉢、香炉などの据え付けを行います。
最終チェック
設計通り施行されているか最終チェックを行います。
埋葬・法事
お墓の引き渡し後の埋葬や法事などの日程・方法などを話し合いで決めます。
法要実施
納骨法要と同時に開眼供養を行い、お墓の完成を祝います。
石の選び方
墓石に使われる石の種類は、三百種類にも上ると言われています。
現在墓石の多くに使用されている石のほとんどは中国から輸入されているもので、国産の石は高級品として扱われていることが多いです。墓石に最もよく使われるのが花崗岩で、次いで安山岩、また斑レイ岩(ハンレイガン)、閃緑岩(センリョクガン)なども使われます。これらは硬く、火や風にも強くて、磨くと光沢が出るのが特徴です。
良い石とは
一般的に墓石として適している石材は硬度が高くて吸水性が低く、風化しにくいこと、キズやムラがなくきめ細かいものです。
稲田石(産地:茨城県)
国産の白御影石の中では最もポピュラーですが、石材としての質は高く、墓所以外にも建築材としても多く使用されています。
本小松石(産地:神奈川県)
石材としての歴史は古く、城壁などにも使用されていた石材。安山岩系で石質は柔らかいですが、磨きをかけると独特な風合いを放ちます。日本石材の最高級品のひとつでもあります。
深海(産地:中国)
深緑色をした御影石で、近年、墓石に多く使用されている石材です。
G603(産地:中国)
白御影石は中国産石材として昔から使われています。墓所では外柵に使われることが多く、中国石材は「G603」のような形式で、名称は番号で呼ばれているものが多いです。
お墓の形
お墓の型には大きく分けて和型と洋型があります。
昔からなじみ深いのは縦長の台石を2段重ねた上に、縦長の長方形の石を積み重ねた「和型」と言われるものです。
一方、「洋型」とは「和型」以外の型をあらわすもので、台形型もあればオリジナルでデザインした型など様々です。
関東地方の墓石の傾向として、以前は「和型」でグレー系が多かったのですが、平成に入って「洋型」が次第に増え、平成14年くらいからは「洋型」の割合が高くなってきています。
和型墓石
和型タイプは日本で一番墓石に使用されている伝統的な型です。
大きさに決まりはありません(霊園などで決まっている場合もあります)が、和型の大きさをあらわす単位(名称)として、竿石の幅の大きさ「八寸角」「九寸角」「尺角」というように一寸ごとにサイズ分けされているのが一般的です。竿石の大きさに比例して高さも大きくなりますし、それを支える上台・中台などの大きさも全体的なバランスを考えて変化していきます。
洋型墓石
近年増えつつある洋型タイプで、和型の次に多く使われている型です。
様々な宗教・宗旨の方に利用されています。大きさは特にサイズ分けされておらず、墓地の仕様・大きさに合わせて設計していきます。下に記されたもの以外にも記念碑タイプの石碑や、建てる人の意向を取り入れたオリジナルデザインの石碑も最近増えてきています。
オーダーメイドのお墓
最近では石材加工技術が発達し、様々なデザインを形にできるようになりました。霊園見学に行くと、オリジナリティあふれる墓石を見かけることが多いです。
他にはないオリジナルのものを作るのですから、石材店の技術はもちろんですが、要望をしっかり伝えて、打ち合わせをしっかり実施することが必要です。
当社では伝統的な和型やモダンな洋型だけではなく、お客様の心を形にするオーダーメイドのお墓も制作いたします。
オーダーメイドのお墓は、お客様のお墓に託す想いを墓石で表現するということです。
故人やご家族の想い、考え方、イメージをもとに、当社のデザイナーと綿密な打ち合わせを重ねていただき「その人らしいお墓づくり」のお手伝いをいたします。
お墓のリフォーム
お墓は比較的耐久性があるものですが、それでも長い年月が経って古くなったり、シミになったり欠けてしまったりするものです。今現在、建て替えが多いお墓は、明治・大正・昭和期に作られたものが多いのですが、その頃は大谷石など柔らかい石が使用されていました。現在よりも耐久年数が短いと言われている石です。
また、お墓のリフォームとは、墓石を新しくすることだけではなく、クリーニングをしたり、欠けている部分の補修をすることも指します。建てられた時期、墓石の材質、技法などによってリフォームする方法も変わります。
墓石を新しくしたい
古くなった墓石をすべて新しい墓石に交換できます。
ご予算によっては石塔だけ、もしくは外柵だけを新しくする方もいらっしゃいます。
最近は、昔ながらの和型からモダンな洋型のデザインに変更したり、ピンクや黒などの墓石に変える方も増えてきました。
備品を交換・追加したい
線香立てや花立を交換したり、塔婆立てを追加したりできます。
傾きや欠けの補修
建墓から数年経つと、外柵にひずみが生じてしまったり、墓石(石碑)が傾いてしまうことがあります。傾いてしまった場合は、石碑を組み直して傾きを修正します。欠けてしまったり、ひび割れてしまった場合には、補修するなどして早めに対処します。
いろいろなご先祖の石碑が乱立している
地域によっては、先祖代々の墓以外に、同じ区画の中に、いくつもの石碑が立っていることがあります。その場合、先祖代々を祀る石碑を中央に建立し、以前からの石碑は周辺に並べておくことが多いようです。